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VOL.80 「ネットオークションでトホホ」


この話は、私の友人「オタッキー阪井」さんの実話である。

「ここはひとつ、インターネット上で営業活動の真似事でもやつて、今流行のSOHOていう感じで自立したいなー、と思っていました。

ところで、何を売り買いするか・・、とりあえず子供の頃流行った切手収集、それがまた最近私、何故か復活していて、オフラインではある団体のオークションもやっていて、少しずつ貯めていた物もあるので、切手の売り買いをやろうと企てました。

理屈は簡単です。ある団体の郵便によるオークションで、安く大量入手する。それを、ネット上のYオークションで、小分けしそれ以上の値段で買ってもらう。
(でも、その値段にしても通常の小売店で買うよりは断然格安なのですがー)
結果、必要経費などを差し引いて、その差額分が利益となる訳である。

やり始めて、最初は順調でした。ネットオークション自体がまだ、世間にさほど浸透していなかったこともあって、とりあえず、そこそこの値段で出品してみると、割と入札、落札が順調に出ていました。一月にインターネットに要する費用を賄えるほどの売り上げもあって、差し引きの利益はたいしたことはなくっても、赤字でない状況にはなっていました。

それで、仕入れの方も確かなルートとして確立しなければいけないと、郵便によるオークションで大量に応札し、どんどん落札していった訳であります。何せ今時、「郵趣」の世界も随分低迷しています、だからそんなこと、割と簡単でした。ん・万円と買い入れしました。同じ切手のシートを何枚も買うのです。珍しいエラー切手などが、一番いいのです。それでも、今まで通り、すぐにでも処分出来ると思っていました。

しかし、その状況がだんだん変わってきたのです。やり始めて2,3月も経つと、Yオークション、急激に利用する人たちが増えたのか、出品数の増加とともに応札の要求が厳しくなった。買値での落札さえ難しくなってしまった。それで、赤字で売る程の度胸も無いので、まったくといいほど商品が動かなくなってしまった。来る日も来る日も、入札状況は空欄のままである。

ということは大量の在庫を抱えて、また、性懲りもなく、なお仕入れの方は中止してないものだから、この状況、私、夢破れて「倒産」である。ネット上での経済的自立は、断念である。

書棚に送られてきたまま封筒に入った大量の、切手シート・・、「綺麗」と趣味で整理し、眺めるのが本当の楽しみなのです。世の中そんなに甘くは無かった。
あ〜あ、これ額面で使うしかないのだろうか・・それは、あまりにも、とほほ〜。」

「オタッキー阪井さん」可哀相ですね〜、でも、懲りない人だから大丈夫でしょう、きっと。



 平成13年4月14日

e-mail himada@himataro.com